皆さん、お世話になっております。糸魚川こどもクリニックの渡辺です。2017年7月11日に上越市で勉強会がございましたのでご報告いたします。
演題は「鶏卵アレルギー発症予防に関する提言を受けて」でした。その内容は、「アトピー性皮膚炎(またはそれに準ずるような症状)」を有する乳児では、「タマゴアレルギーの発症率を減らすために早期の鶏卵摂取を始めた方が良い」というものです。これは、日本で大規模に行われた研究を基にして日本小児アレルギー学会が2017年6月に提言したものでした。
え、どういうこと?アトピーとタマゴアレルギーは関係あるの?と思われる方も多いと思いますが、実はその通りなのです。最近の報告では「口から食べた物はアレルギーになりにくく、皮膚から吸収されたものはアレルギーになりやすい」のではないか、という理論が知られるようになりました。さらに、湿疹がある場所に食物(及びそのカスなど)が付着するとよりアレルギーになりやすいのではないか、とも言われています。実際、アトピー性皮膚炎と食物アレルギーを一緒に発症している人の数は多いです。
もし、お子さまが生後4か月未満で中々治らない全身性の湿疹にお悩みの方がいらっしゃいましたら、食物アレルギーのリスクが高いと医学的に知られておりますので掛かりつけの先生にご相談いただくと良いかも知れません。尚、鶏卵の早期経口摂取を開始するにあたっては専門家の診察が重要になりますので、併せてご相談して頂ければと思います。
(了)