舌下免疫療法のお知らせ(スギ花粉症のあなたへ)

皆さん、こんばんは。糸魚川こどもクリニックの渡辺です。先週の日曜日に糸魚川東小学校で運動会が催されていましたのでお邪魔して参りました。澄み渡る空と、さわやかな風が心地よい校庭で、学童の皆さんが白熱した真剣勝負を繰り広げていました。クリニックの界隈に、こんなにたくさんのお子さんがいらっしゃるんだなあ、と改めて感動しておりました。そして、輝く未来、大きな夢を持った皆さんの安全・安心・健康のためにも尽力しなくてはならないと強く思いました。・・・ということで、土曜日診療はもちろん休日診療も張り切って取り組もうと考えておりますので、いざというときにはご利用くださいませ(病児保育室も併せてご利用くださいませ)。

さて、いよいよ5月も終盤となり、とあるアレルゲンでお困りであった皆さんには平穏な時期となりました。そうです、あの困りもののスギ花粉の飛散がようやく落ち着く時期です。メガネやマスク、たくさんの内服薬や点眼薬、点鼻薬から解放される時期です!

そして、さらにスギ花粉症の方々に嬉しいお知らせです。タイトルにもございますとおり、新しい剤型の舌下免疫療法薬が2018年6月末に発売されることになりました。今までは12歳以上のお子さんが対象でしたが、新しいお薬では何歳のお子さんでも治療を開始できます。わずらわしい内服薬や点鼻薬などから卒業できる絶好の機会かも知れません。

ただ、年齢制限がないとはいえ、皆さんもご存じのとおり、スギ花粉症を発症される方の殆どが小学生以上ですので3-4歳のお子さんが舌下免疫療法をすることは滅多にないと推察されます。

また、スギ花粉症の舌下免疫療法を開始できるのはスギ花粉が飛散していない時期ですので、なんと発売と同時に治療を開始することもできます。治療を開始してから半年ほどで効果が現れ始めますので、来年の飛散期に悲惨な思いをされなくて済むかもしれません。

ご興味のある方はぜひとも当クリニックへお越しくださいませ。皆さんのご来訪をお待ち申し上げます。

(了)

 

~おまけ~

季節を感じさせるのは何も院外の木々や花々ばかりではありません。院内にも初夏を思わせる風物詩がやって参りました。皆さん、なんだと思われますか・・・

そうです、こちらは夏の代表ひまわりです!

今回もブルーファンさんの技術によって花々が輝いているようです、美しいですね。花を生かすも凡庸になってしまうのもお花屋さんに依るところが大きいようです。

このような妖精たちが集まりそうな雰囲気のメルヘンチックなクリニックですので、ぜひ遊びに来てくださいませ。

 

ヒトメタニューモウイルス感染症

皆さん、こんにちは。糸魚川こどもクリニックの渡辺です。暑くなったり寒くなったり、体温を調節するのが難しい時期の到来ですね。

さて、そんな気候が不安定な時期に、最近よくクリニックを訪れた方々から質問されるウイルスがございます。正確な名称を仰られたお父さん、お母さんもお見えでしたが、舌を噛みそうな名称のために覚えられるのも苦戦されたのではないでしょうか。そうです、その名は、君の名は「ヒトメタニューモウイルス(hMPV)」です。ヒト=ヒューマン、ニューモ=肺炎、つまり人に肺炎を引き起こすウイルスと言う意味になります。hMPVについて簡単にまとめましたのでご参照ください。

ヒトメタニューモウイルスは呼吸器感染症を引き起こす原因ウイルスの第2位の称号を得ております。流行する時期は春先から夏頃(下図参照)で、ちょうど小児の呼吸器感染症で発症頻度の最も高い、ライバルにあたる感染症である「RSウイルス」の流行する時期(晩秋から春先にかけて)と被らないように上手く構成されています。目立つためにはライバルの居ない時期が良いという考え、侮れませんね。

前述した通り、迅速検査を行うことはできますが特効薬がないために治療方針は対症療法(症状に対して治療を行う)となります。つまり、確定診断がついても一般的なカゼもヒトメタニューモウイルス感染症も治療は同じと言うことです。

本ウイルスに感染しないためにも、うがい手洗い咳エチケットを守って人にうつさず、人からうつされないようにしましょう。特に、免疫力が弱い乳児やご高齢の方はより注意しましょう☆彡

(了)

ワクチン情報(4)

皆さんこんばんは、院長の渡辺です。先日の記録的な豪雪には本当に困りましたが、暖かい日が続き雨の効果もあって、クリニックに高く降り積もった雪は徐々に小さくなりつつあります。こんな日は特に雪崩に気を付けてください、当クリニックの屋根では雪崩が幾度となく発生しております。

さて、タイトルにございます通りワクチンの話題です。ようやく、インフルエンザワクチンの供給の見通しがつきました。糸魚川市内ではまだ大きな流行はございませんので、未接種の方(特に腎臓や心臓に基礎疾患を有していらっしゃる方や65歳以上の方)は早めの予防接種をお勧めしております。さらに、受験を控えた方や年度末に大きなイベントを控えてらっしゃる方も予防接種をお勧めしております。皆さんご存じと思いますが、インフルエンザを発症してしまうと、約1週間も学校や保育所には通えなくなりますのでご注意くださいませ(予備校や塾もNGです)。また、同ウイルスによる肺炎や脳炎と言った合併症を発症して致命的になってしまうこともございますので”感染したら治せばよい”と簡単にお考えになりませんよう、重ねてお願い申し上げます。

もう一つ、供給が遅れているワクチンと言えば日本脳炎ワクチンですね。当クリニックは少量ですがワクチンを入荷できましたので、接種する年齢に達していらっしゃる方、特に3歳を過ぎているのに一度も日本脳炎の予防接種をされていないという方は是非ご連絡くださいませ。

今後とも定期的に情報を発信して参りますので、当クリニックをよろしくお願い申し上げます。

(了)

インフルエンザ感染症情報(3)

皆さんこんばんは、糸魚川こどもクリニックの渡辺です。本日は糸魚川保健所からの感染症発生情報をお知らせ致します。

(1)インフルエンザ感染症について

12月第2週の糸魚川では、定点報告数が0.33(1以上で流行開始の目安)とまだ流行の兆しを見せておりません(当クリニックでも1週間に2人か3人見つかるほどです)。ところが、お隣の上越では7.80、より北方の長岡では13.9と非常に流行しております(糸魚川は流行に左右されない素晴らしい地域のようです)。どうしても流行地区への外出を要する方は、うがい・手洗いの徹底、マスクの着用、そして不要な外出を控えて頂きますようお願い致します。また、ワクチン接種による予防も大切ですので未接種の方はご検討をお願い申し上げます。尚、ウイルスバスターでは防げないかも知れませんのでお気を付けください(当HPの広報をご参照ください)。

(2)その他の感染症について

感染性胃腸炎(主にノロウイルス感染症、ロタウイルス感染症)が全国的に流行しております。上越市では定点報告が16.67、新潟県全体でも8.11と非常に高い数値を示しております。糸魚川市では1.00と(流行に踊らされずに)落ち着いておりますが、感染の拡大に注意しましょう。中でもロタウイルスは途上国での乳児死亡原因のワースト3に入る恐ろしい感染症です。先進国の日本であっても、乳児が発症してしまうと入院を要するほどに重症化することが多いので、ロタウイルスワクチンによる予防をご検討くださいませ。オマケに、感染性という言葉を心配されてか「ただの胃腸炎ですか、感染性胃腸炎ですか?」とご質問される方がクリニックによくお見えになります。答えを申し上げますと、体調不良や食べ過ぎを除いて、ある人が発症してしまった胃腸炎が別の人に「感染しない」ことは殆どございませんので、ただの胃腸炎では「ない」と思って頂けますと幸いです。

最後に、市内ではアデノウイルス感染症(プール熱)や溶連菌感染症を発症される方が増えてきており、能生地域では特に前者の罹患者が多いようです。高体温が長く続くような場合は上記疾患が疑われることがございますので、医療機関の受診をご検討ください(状態によっては迅速検査を行うこともございます)。

それでは、明日からも無理せず、健康第一で、よりステキな一週間にして行きましょう☆

(了)

インフルエンザ感染情報(2)

冬の到来。温もりをたたえる暖炉を前に、静かなクラシックを聴きながら北欧の妖精やお城が繊細に描かれた絵本を読む、ロマンティックでうっとりしてしまう絶好の季節となりました。しかし、そんな素敵なムードを壊す恐ろしい敵が現れる時期でもあります。

その代表例がインフルエンザウイルスです。このウイルスに感染しないためにはうがい手洗いを始めとした予防が重要となります。しかし、予防のためのワクチンが今シーズンは不足して(遅れて)います。その理由はワクチンとして育てるはずだったウイルスの株が上手く育たず、途中で別のものに変更したために大きなタイムロスが生じてしまったためです。時間が経てば昨年度と同等のワクチンの供給量になるということですが、糸魚川でも罹患者が出始めており心配な方も多いと思われます。そこで、わずかではございますが当クリニックでもワクチンが手に入りましたので、ご予約の連絡を賜れますと幸いです。

続いて、世間を賑わせておりますインフルエンザウイルスよりも強力な感染力を持つウイルスが猛威を振るう時期でもあります。その名はロタウイルス!小さな子どもを狙う恐ろしいウイルスで、インフルエンザの何倍もの感染力を持つと言われています。年少者ほど嘔吐・下痢の症状が強く、罹患・発症してしまうと脱水のために入院することになってしまうお子さんが非常に多い感染症です。この感染症から身を守るにも手洗いが重要となりますが、予防接種により発症を食い止めることもできます。任意接種ですので費用が発生してしまいますが効果はとても大きいです。小さなお子さんが発症しては大惨事になりかねませんので当院ではワクチンの接種をお勧めしております。

最後になりますが、新しい情報があれば改めてご報告致しますので今後ともご愛顧の程よろしくお願い申し上げます。それでは、おやすみなさい。

(了)

インフルエンザ感染情報(1)

上記にございます通り、糸魚川市内の小学生でFlu A(インフルエンザA型)を発症された方が現れたようです。うがい、手洗い、人込みを避けるなどの対策がとても重要になりますのでご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。

また、今シーズンはインフルエンザワクチンの供給が遅れ気味で接種されていない方も多くいらっしゃると思われますが必要以上に不安にならないでも大丈夫です。一番大切なことは予防です、繰り返しになりますが発症しないためにも、うがい・手洗い・不要不急な外出を控えるなど対策を取りましょう☆もちろん、予防接種が終わったから「もう大丈夫」と油断されるのも気を付けてくださいね。

(了)

産業医講習会

皆さんこんばんは、糸魚川こどもクリニックの渡辺です。本日より2日間に及ぶ、産業医講習会のお話しをしようと思います。

さて、産業医とは何だろう?と思われている方々も多いのではないでしょうか。簡単に言いますと、企業で働く皆さんの健康を守り、健やかに仕事ができるように人間関係も含めて仕事の環境を改善する医師のことです。50人以上スタッフの居る事業では必ず配属されております。自分も開業に向けて邁進中ではございますが、少しでも皆さんのお役に立ちたいと考えて本講習を受ける決意をいたしました。

☆新潟県を代表する医師会は外観もオシャレでした☆

☆本部はなんと五階建てのビル、なんと大きい☆

☆内部に置いてある調度品まで洗練されていました☆

本日は基礎的なことが多く、皆さんの興味があまりないかも知れませんので、後日改めて報告しようと思います。皆さんも、素敵な三連休をお過ごしくださいませ。

☆夕日を浴びた荘厳な新潟大学附属病院☆

(了)

おたふくかぜによる難聴が多発

皆さん、こんにちは。糸魚川こどもクリニックの渡辺です。肌寒くなりつつあり、秋雨もあって、センチメンタルな今日この頃です。   

さて、本日は皆様に是非ともお知らせしたいことがあり筆ならぬキーボードを執りました。ご存じの方もいらっしゃると思いますが、おたふくかぜに罹患すると数百人から二、三千人に一人が難聴になってしまいます。これを「ムンプス難聴」と言います。ムンプスとはおたふくかぜの原因ウイルスの名前で、英語ではMumps virusと言います。

記憶に新しいかも知れませんが、2015年1月から2016年12月、国内ではおたふくかぜが長期間にわたり流行しました。おたふくかぜを発症された人の数は定かではありませんが、日本耳鼻咽喉科学会の報告ではなんと二年間で300人を超すムンプス難聴の患者さんが見られたそうです。ムンプス難聴は非常に厄介で、一度発症すると回復するケースは殆どなく、片側の耳が健康であれば異常に気付きにくいために発見が遅れてしまうと言われています。

このムンプス難聴ですが、おたふくかぜワクチンが定期接種に位置づけされている先進国では発症率が低いことも知られています。しかし、本邦ではおたふくかぜの予防接種(ムンプスワクチン)をされているお子さまは30-40%と言われており、接種率が低いワクチンの一つです。皆さんお気づきの通り、予防接種をすることでこの悲劇を(完全にではありませんが)回避することができると言われています。実は、過去に定期接種であった時期もありましたが、無菌性髄膜炎と言う合併症が散見されたために中止されてしまい、それ以降は任意接種という扱いになってしまいました。マイナスイメージがまとわりつくこともあって予防接種率が低いのかも知れませんが、最近のムンプスワクチンは合併症の発症率が低いこと、ワクチンによって得られるメリットの方が合併症よりもはるかに高いことから、日本耳鼻咽喉科学会も予防接種を推奨しています。

皆さん、どうか「おたふくかぜは発症して自然に治して免疫をつけた方が良い」という考え方をされている方を見かけたときは、本ブログの内容を伝えて差し上げてください。ムンプス難聴は事前の対応で予防をすることはできますが、発症してしまってから治してあげることは今の医療技術ではできないのです。

どうしても考え方が変わらない、または詳細を知りたいということであれば、是非ともお問い合わせくださいませ。皆さんの納得いくまでお話ししたいと思います。

(了)

 


☆以前、自分が作った資料です、ご参考までに☆

教育カウンセラー養成講座・教育講演

皆さんこんばんは、糸魚川こどもクリニックの渡辺です。本日は上越市のワークパル・上越で学校カウンセラーさん向けに3時間に及ぶ教育講演をして参りました。喋り過ぎて喉が痛くなってしまいました。

さて、今回はカウンセラーさんたちが対象ですので、心身症や心気症の患者さんのカウンセリングについて講演しようかと思いましたが、他の講師の皆々様がWMNなど超有名大学の教授でしたので、背伸びをしない方が良いと考えを改めました。自分の経験とスキルを活かして「医療とカウンセリング」という視点で講演をすれば、教授先生と内容が被ることなく恥をかくことなく、より実践向けな講演になるのではないかと思いました。3か月のお時間を頂いてスライドショーを作り、180分間の長丁場に耐えうるものを作り臨みました。

講演後の質問時間に、非常に鋭い質問が飛び交いました。薬物療法を開始したらそのまま続けなくてはいけないのか、服薬期間が長くなった場合に副作用や合併症は出やすくならないのか、甘やかしにならないか、辛かったら(学校などを)休んでも良いんだよと言うのは問題ないのか、頭が痛い、つらいなどと訴えるが実際はそんな印象を持てない生徒にはどう接すればいいのか、夜更かしがやめられない生徒にはどうしたらいいのですか、などなどです。現場のカウンセラーの先生も色々お考えになって対応されているのだと強く感じました。

そして、こんなに上昇志向が強く、生真面目で、熱心なカウンセラーの先生方の居る新潟県にお住いのこどもたちは恵まれているなあと改めて思いました。新潟県万歳☆

本日も最後までお付き合いいただきましてありがとうございます。明日も朝陽が皆様に幸せを運んで来てくれますように心からお祈り申し上げます。

(了)

小児神経学サテライトセミナー(摂食障害について)

皆さん、こんにちは。糸魚川こどもクリニックの渡辺祐紀です。2017年7月16日に上記勉強会がありましたのでご報告申し上げます。サブタイトルに「入門コース」と記載がありましたが、内容は専門医を対象としたような内容が多かったような気がします。今回は自分の受けた印象が強かった心身症の中でも摂食障害についてコメントをしたいと思います。

さて、今回は5つのセクションに分かれており、(1)診察の仕方、(2)てんかんの症候学・外科治療、(3)脳炎・脳症について、(4)代謝疾患について、(5)心身症、発達障害について、です。

発達障害と言えば、注意欠如・多動症や自閉スペクトラム症などが最近の話題になっていると思われます。しかし、これらに対しては文章が長くなることが懸念されること、各々の専門家によっても治療指針が多少異なることもございますので割愛させて頂きます。もちろん、当クリニックでもご相談に応じますのでご遠慮なくお尋ねください。

では、以下にもう一つの話題の心身症のお話しをさせて頂きます。心身症というと様々な疾患がありますが、今回お話しさせてもらうのはその中でも食事に問題が生じてしまう「摂食障害」というものに致します。不眠・寝不足気味の方はぜひご一読ください、眠れるはずです。

摂食障害と言えば、カーペンターズの女性ヴォーカリストのカレン=カーペンターが発症したことでも有名になった拒食症(神経性食思不振症)は皆さんご存じのことと思います。この疾患を発症された方には強い痩せ願望があり、痩せている方が美しいと思い込みます。困ったことにこの考えがエスカレートしてしまい、周りから見れば十分に痩せているのに「自分は太っているのだ」といった非普遍的なボディ・イメージを持ってしまう患者さんが多いと言われています。それ故に、医者や家族が「栄養が不足しているから、もう少し食事が必要だ、このままでは死んでしまう」という旨を伝えても患者さんは「太るから嫌だ、太るくらいなら食事はしない」と言い返すのです。さらに、理想の体型を得る(痩せる)ために元気よく走り回ったり、活動的になったりする方が多いのです。これが、一般的な神経性食思不振症の症状・経過です。

ところが、最近では痩せ願望を伴わない摂食障害が多くなってきたと報告されています。どういうことでしょうか、何故体形を気にするわけではないのに食事を摂ることができないのでしょうか。子どもたちの診療と食べることに生きがいを感じている自分には理解しがたいものでした。そんな凝り固まった自分の思考でしたが、講演を聴いているうちに柔らかく解けていくような気分になりました。その講演では「食べたい気持ちはあるけれど、食べると吐きそうになる」または、「喉に詰まらせて死んでしまうかも知れない」から食べたくないという不安からくるもの(機能的嚥下障害)や、「何となく気分が落ち込むから食事をしたくない」というもの(食物回避性情緒障害)までありました。

いずれの疾患でも、患者さんたちに精密検査をするものの現在の医療レベルでは原因を突き止めることができません。そのため、心の問題で「気の持ちようだ」と言われてしまうことが多いのです。症状に苛まれて医療機関を受診したにもかかわらず気の持ちようだと医者に言われ、友人、学校の先生方にはどうして食事しないのかと注意され、どの医療機関に行っても同じことを言われてしまうために家族が疲れてしまい言い争いの原因にまで発展することがあります。このような環境下に曝されては患者さんは突き放された気持ちになってしまうのではないでしょうか。患者さんも我々と同じように食事を楽しみたいし、遊んでいたいですし、学校にも普通に通いたいと願っているのではないでしょうか。

残念なことに、これらの診断がついたとしても特効薬がありません。しかし、苦しみを分かつこと、普通と違うと偏見を持たないことが治療の第一歩であり、症状を完全になくすことはできないまでも、症状を和らげることが医者の仕事となります。もし、身の周りにこういった症状で悩んでらっしゃる方がいたら、是非とも医療機関の受診を勧めてあげてください。また、これらの疾患が気になる、もっと知りたい方向けに図書が発売されておりますのでご一読をお勧めしております。
※参考書 大月書店 わかって私のハンディキャップ3摂食しょうがい

(了)