基礎組み立て~コンクリート打設

皆様こんにちは、院長の渡辺祐紀です。

今回は建設物についての報告です。

6月14日の工事現場の様子です。均等に地面から伸びた金属の棒が基礎鉄筋です。その周りを木の枠組みが囲んでいる様子が写真から分かると思います。

6月17日、晴れた空の下、コンクリートミキサー車で運んだセメントを先日造られた枠組みに流し込んでいる様子が伝わります。

少し離れたところからの様子です。

打設完了翌日の写真ではコンクリートが白っぽく輝いているのが分かります。この黒く太い管は配線の通路です、どれほど多くの配線を必要とするのでしょうか、このクリニックは。

工事は非常に順調に進んでおり、今週末にはさらに基礎のコンクリートが高くなる予定です。職人の皆様の尽力にただただ感動しております。

それでは、皆様もステキな一日をお過ごしください。失礼いたします。

(了)

小児神経学会 学術集会を終えて(3)

本日は感銘を受けた講演のお話しをしようと思います。最近不眠症という方はぜひご一読くださいませ、確実に眠れます。

 

(1)発達障害のこどもの脳を育てるSPARK運動療法

運動療法は昨今の小児神経学会でも論文件数が増えている分野です。簡単な理屈は以下の通りです。運動をすることによって広範囲の脳内の神経細胞が活性され、さらに運動後しばらくは脳内の血流が良好になります。この状態が脳全体にプラスに作用するのではないか、と研究者たちが予測し調べていったらまさにその通りだったのです。

これを医療に応用できないかと目を付けたところ、アスペルガースペクトラム障害(ASD)、注意欠陥多動症(ADHD)といった発達障害を持つ児では、運動療法を取り入れたことで、他者とのトラブルが明らかに減り、固有の症状が改善されたと報告されています。

もちろん、そうではない方でも、運動療法を取り入れることで前頭連合野、脳梁の神経線維が増え、記憶をつかさどる海馬の体積が増え、地域ぐるみでプログラムを組んだところでは暴力などの事件も減ると報告されています。アメリカ合衆国の研究では学生に対して、運動をする群としない群とでテストの成績を比較したら、運動している群の方が結果が良かったと報告されています。最近物忘れがひどくてというそこのあなた、是非とも運動療法をお勧めします(調子に乗ってごめんなさい)。

キツイ運動をする必要はありません。『胸が高鳴り、楽しくて、他の人ともできる、室外』での運動であれば構いません。但し、雨乞いダンスはみんなで楽しく胸がときめくかも知れませんが、外に出れなくなってしまうので今回の治療には適しません。

自分は運動が嫌いな人間ですが、これからはタクシーや自家用車に頼ることなく自分の足で目的地に向かおうと心に決めました。三日坊主になりませんように。

 

(2)脳梗塞、脊髄損傷の最先端の治療

脳、脊髄と言えば神経細胞の集合によってなる、機械でいうコードのような集合体です。脳という電源から、脊髄というコードを通じて信号が運ばれて、筋肉という機械が動きます。この神経細胞は死滅したらばそのままで、脳梗塞や脊髄損傷には治療方法はないと言われておりました。叩いたら壊れたテレビが直ってしまうことがあるのは、今回は除外してください。

その一方で、人間の骨髄の中には、どんな組織にでも変化することのできる幹細胞(かんさいぼう)という万能な細胞が(少数ではありますが)存在します。この細胞は傷害を受けた組織に集まりやすく、修復に貢献する性質を持っています。

そこに目を付けたのが北海道のとある大学附属病院の医師です。骨髄の中の幹細胞を取り出し、試験管で増やして、その性質を活かして急性期の脳梗塞や脊髄損傷を治療できないかと考えたのです。細胞実験、その後に動物実験、そしていよいよ臨床治験となりました。治療方法は、脳梗塞(脊髄損傷の治験はその後で行われました)を発症してしまった患者様、その方の腰の骨から幹細胞を採取して増殖させます。十分に量が増えた幹細胞を静脈の中に投与(移植)したのです。

結果は素晴らしいもので、強い麻痺があった患者様でも投与(移植)後から効果が現れ、完全とまではいかないものの、従来のリハビリだけの治療よりも回復することが判明しました。すごいものです、手を持ち上げられなかった人が笑顔で万歳したり、体を起こすことすらできなかった人がスキップして退院するなど、医学の、いやいや、研究者たちの飽くなき探求心にただただ感動してしまいます。

(3)高機能自閉症における内部モデルの特異

(4)Brain-machine-interfaceによる脳卒中の治療

(3)計算式から病態を考える研究です。(4)リハビリの効果をさらに高める機材の開発と利用についてです。いずれも医師ではなく、学者が考え付いたモデルです、すごい。

(5)熱性けいれんの診療ガイドラインに基づくケア

上記も皆さんにお伝えしたい、のですが、書き出したら切りがないのでここで筆をおきます。日本の医学は本当に進歩しています。海外に引けを取らない、と言いますか、こんなに頑張っている人たちがいるなんて誇らしい、応援したいと思えました。

文才がなく、駄文で申し訳ありませんが、この文章をお読みになった方々が、明日への夢や希望、日本人としての誇りや自信を持ってくだされば幸いです。

 

それでは、不定期ではございますが、最先端の医療について今後も記載していこうと思いますのでよろしくお願い致します。最後までお付き合いくださいまして、誠にありがとうございます。

(了)

小児神経学会 学術集会を終えて(2)

皆様、こんにちは。

糸魚川こどもクリニックの渡辺です。

現在、当院では一緒に働ける職員を

募集してます☆

詳細は当クリニックのホームページ、または

ハローワークにお問い合わせくださいませ。

 

さて、先日の学会の様子を写真とともに

ご紹介しようと思います。

大阪国際会議場上記は大阪国際会議場の入り口です。

写真で感じる以上に広く近代的な構造でした。

会場の一角に上記のような休憩スペースがあり

そこには山のように積まれた小児神経関連の

書籍が販売されていました(早速購入!!)。

奥には、ハンディの人工呼吸器や脳波検査に

用いる帽子型の電極(被るだけでOK)など

便利グッズも置いてありました。

上記は発表会場の様子ですが中央スクリーン

まで遠くて、後ろの席からでは映写された文字

すら見えない状態です。

会場内にいるのは殆どが医師、ついで医療者、

少人数ですが家族会のメンバーさんも居ます。

 

上記のように数百人を収容できる発表会場が

10室程度貸し切られており、各部屋で

最先端の治療の勉強会、中々回復されない

患者様についての検討会、新薬の勉強会など

が連日連夜繰り広げられるのです。

学会に参加すると、自身のレベルが

上がったように感じられ胸が熱くなって

しまいます。

日本の小児神経医学レベルは高いです☆

 

次の項目では感銘を受けた講演内容を

お伝えしようと思います。

(続く)