皆さん、こんばんは。糸魚川こどもクリニックの渡辺です。日に日に暖かくなり、風の強い日には黄色い小悪魔がはびこる季節となりました。そうです、スギ花粉です。スギ花粉症(スギアレルギー)の方にはお辛いシーズンですね。
さて、皆さんの周りには、この時期にくしゃみや目の痒みがあると「花粉症かしら?」とおっしゃる方は居ませんか?実はそれ、花粉症とは限らないのです。というのも、この時期に飛び交いアレルギー症状を来たすのはスギ花粉だけではありません。なんと、ダニ(主に死骸)やイネ科(食用ではなく)の花粉も悪さをしています。つまり、「スギ花粉症かも?」と思っている方の中にはダニやイネ科アレルギーの方も少なからず居らっしゃるのです。診断をするには、症状からだけでは判断が難しいので問診と検査が重要となります。
ところで、「同じアレルギーならどちらでも関係ないでしょう?」と思われる方はいらっしゃいませんか。たしかに、基本的な治療方法は同じなのですが、アレルギー物質(アレルゲン)が何かにより治療期間や治療法が変わることがあります。たとえば、代表的なものは春から初夏にかけてスギ、春先から秋にかけてイネ科、秋から冬にかけてキク科の花粉が多くなると言われています。さらに、スギ花粉症とダニアレルギー(通年性鼻炎)に関しては舌下免疫療法という画期的な治療法があります。診断と治療法につきましては、ぜひご相談くださいませ。
スギ花粉の舞うこの季節ですが、美しき桜も咲き乱れますので、楽しく毎日を過ごしたいですね。それでは、失礼いたします。
(了)